「矯正、そのうちやろうと思っているんです」
カウンセリングでいちばん多く聞く言葉かもしれません。そして、その「そのうち」が3年、5年と延びてしまう方も、実際にたくさんいらっしゃいます。歯並びは急に悪化するものではないので、後回しにしやすいのです。
ただ、矯正治療には「終わりたい時期から逆算する」という考え方があります。結婚式、就職活動、成人式、留学。ゴールが決まっている方ほど、開始時期の意味は大きくなります。10月は、その逆算がしやすい時期です。
福岡県久留米市野中町の木原歯科矯正歯科久留米で矯正を担当している、副院長の木原りょうこです。この記事では、大人の矯正を始める時期について、期間・費用・生活への影響の3つの面から整理してみます。
この記事の内容
なぜ「逆算」が必要なのか
矯正は、装置を付けたその日から歯が並ぶ治療ではありません。骨の中で歯を少しずつ動かしていくため、生体が反応する速度を待つ必要があります。だからこそ、開始日を1か月ずらせば、終了日もおおむね1か月ずれます。
さらに見落とされやすいのが、装置を外したあとの保定期間です。動かした歯は、そのままでは元の位置に戻ろうとします。これを防ぐために保定装置(リテーナー)を使いますが、この期間も含めて「治療」と考えていただくほうが、後悔が少なくなります。
また、実際に装置が付くまでにも段取りがあります。当院の場合、初回の無料カウンセリング(約30分)のあと、精密検査、検査結果の説明と治療計画のご相談、そして装置の製作。装置の種類にもよりますが、ここまでで1〜2か月ほどみていただくことが多いです。10月にご相談いただいた方が装置を付けるのは、年内から年明けあたり、というイメージになります。
装置別・治療期間の目安
当院ではワイヤー矯正(表側)、裏側矯正、マウスピース型矯正(インビザライン)のすべてに対応しています。それぞれ期間の目安が異なります。
| 装置 | 全体矯正の期間の目安 | 通院間隔 | 見え方 |
|---|---|---|---|
| ワイヤー矯正(メタル/セラミック) | 1〜3年程度 | 月1回程度 | 見える(セラミックは目立ちにくい) |
| 裏側矯正(フル/ハーフリンガル) | 2〜3年程度 | 月1回程度 | 外からはほぼ見えない |
| マウスピース型(インビザライン) | 1〜3年程度 | 1〜2か月に1回 | 透明。取り外しができる |
いずれも歯の動きには個人差があり、抜歯の有無や歯を動かす距離によって前後します。表の数字はあくまで目安として見てください。
なお、当院では上下で装置を変えることもできます。「人と話す仕事なので上の歯だけは絶対に見せたくない、下はコストを抑えたい」という方に、上は裏側・下はセラミックブラケットという組み合わせをご提案することもあります。
10月に始めるとどうなるか(ケース別)
就職活動を控えた大学生・専門学校生
面接の場で口元が気になって笑えない、というご相談は少なくありません。ただ、就活の時期に装置が付いているのが不安、という方もいます。この場合は「就活までに終える」よりも「就活中に目立たない装置を使う」という発想のほうが現実的です。裏側矯正や透明なマウスピースであれば、面接で装置が話題になることはまずありません。
結婚式や記念撮影の予定がある方
式の日程が決まっているなら、逆算はかなりはっきりします。2年後の秋に式を予定しているなら、今からの開始で装置を外した状態を目指せる可能性があります。一方、来春に式を控えているなら、無理に全体矯正を始めるより、式のあとから落ち着いて始めるほうがいい場合もあります。「今は始めないほうがいい」とお伝えすることもあります。
中学生・高校生のお子さまと保護者の方
部活動や受験のスケジュールと重なるため、開始時期の相談が特に多い世代です。定期試験や大会の予定を伺いながら、装置を付けるタイミングを調整します。受験学年に入る前の秋から始めておくと、装置に慣れた状態で受験期を迎えられる、という考え方もできます。
費用と医療費控除、年内スタートの実務的な話
医療費控除は、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費が対象になります。矯正治療のうち、噛み合わせの改善など機能的な問題の改善を目的としたものは、控除の対象となります。見た目を整えることだけを目的とする場合は対象外とされており、最終的な判断は所轄の税務署が行います。
つまり、年内に検査や装置の費用をお支払いになるかどうかで、申告する年が変わります。10月にご相談いただくと、この点も含めて計画を立てられます。デンタルローンを利用した場合も、そのローンで支払った年が対象になります(金利・手数料相当分は除きます)。
◆ 当院では院内での分割払い(現金・クレジットカード・お振込)とデンタルローンの両方に対応しています。総額と月々の負担、支払いのタイミングは、カウンセリングの段階で具体的にお示しします。
費用の詳細は治療法によって異なります。裏側矯正の費用は当院の専用サイトに掲載しており、ワイヤー矯正・マウスピース型矯正については【要確認:装置料】をご覧ください。
「今は無理かも」と思っている方へ
相談に来ること自体をためらう方が本当に多いのですが、初回のカウンセリングは、契約の場ではありません。お口の中を拝見して、考えられる治療法、期間、費用の概略をお伝えする30分です。その日に決めていただく必要はありませんし、当院から治療をお勧めして無理に進めることはありません。
「他院でマウスピースは難しいと言われた」「金属アレルギーが心配」「昔矯正したけれど後戻りした」。こうしたご相談も歓迎です。当院はワイヤー・裏側・マウスピースのすべてを扱っているため、どれか一つを勧める必要がありません。合わない方法をお勧めしないことも、選択肢を持っている医院の役割だと考えています。
検査には歯科用CTと3D光学スキャナー(iTero element)を使います。粘土のような材料での型取りが苦手だった方も、スキャナーであれば負担が少なく、その場で3Dシミュレーションをご覧いただけます。
矯正、いつ始めるか迷っている方へ
初回カウンセリング(約30分)は無料です。
治療法・期間・費用の概略をお伝えします。当日のご契約は必要ありません。
よくあるご質問
Q. 何歳まで矯正できますか?
歯と歯ぐき、あごの骨が健康であれば、年齢の上限はありません。実際に40代、50代で治療を始める方もいらっしゃいます。ただし歯周病がある場合は、そちらの治療を先に進める必要があります。
Q. 痛みはどのくらいですか?
装置を付けた直後や調整のあと、数日間は歯が浮くような感覚や噛んだときの痛みが出ることがあります。多くの方は数日から2週間ほどで慣れていかれます。当院ではセルフライゲーションブラケットを採用しており、比較的弱い力で歯を動かす設計ですが、感じ方には個人差があります。
Q. 矯正中にむし歯になったらどうなりますか?
当院は一般歯科を併設しているため、同じ院内でそのまま治療できます。矯正のために別の歯科医院へ行き来する必要はありません。加えて、矯正中は毎月プロフェッショナルクリーニングを行い、装置の周りに汚れが残らないよう管理していきます。
Q. 久留米市以外からでも通えますか?
小郡市、筑後市、八女市、柳川市、うきは市、大刀洗町からお越しの方もいらっしゃいます。JR久大本線「南久留米駅」から徒歩6分、駐車場も完備しています。お車でお越しの方が多い地域ですので、通院間隔と合わせてご相談ください。
Q. カウンセリングでは何を持っていけばいいですか?
特別なご準備は不要です。他院で撮影したレントゲンや治療計画書がお手元にあれば、お持ちいただくと話が早く進みます。気になっている歯並びの部分を、事前にご自身のスマートフォンで撮っておかれる方もいらっしゃいます。
歯列矯正治療について(医療広告ガイドラインに基づく記載)
自由診療について
歯列矯正治療は、原則として健康保険が適用されない自由診療です(国が定める特定の疾患に起因する咬合異常等を除く)。
標準的な費用(税込)
矯正前精密検査 37,500円/フルリンガル(上下裏側・全体矯正) 1,100,000円〜1,320,000円/ハーフリンガル(上のみ裏側) 913,000円〜1,100,000円/調整料 3,300円〜7,700円(1回)/抜歯 5,500円(1本)/矯正用インプラントアンカー 33,000円(1本)/保定装置料は別途申し受けます。ワイヤー矯正およびマウスピース型矯正の装置料は【要確認:装置料】。
治療期間・回数の目安
ワイヤー矯正 1〜3年程度(月1回程度の通院)/裏側矯正 2〜3年程度(月1回程度の通院)/マウスピース型矯正 1〜3年程度(1〜2か月に1回程度の通院)。装置を外したあとに保定期間が必要です。期間・回数には個人差があります。
主なリスク・副作用
・装着初期や調整後に痛み、違和感が生じることがあります(数日〜2週間程度で慣れる方が多いですが個人差があります)
・歯の動きには個人差があり、治療期間が延長する場合があります
・装置の使用状況や通院間隔など、患者さまのご協力の程度が結果に影響します
・歯磨きがしにくくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まることがあります
・歯根が短くなる(歯根吸収)、歯ぐきが下がる(歯肉退縮)ことがあります
・まれに、歯が骨と癒着して動かない場合や、歯の神経が失活する場合があります
・金属を使用する装置では金属アレルギーが生じることがあります
・顎関節に症状が出ることがあります
・検査や治療の経過により、治療計画を変更する場合があります
・装置を外す際に、歯の表面に細かな亀裂が入ったり、詰め物・被せ物が破損することがあります
・保定装置を指示どおり使用しないと、歯が元の位置に戻る(後戻り)ことがあります
・治療後も、成長・加齢・親知らず・歯周病などにより歯並びが変化することがあります
・マウスピース型矯正では、装着時間が不足すると治療期間の延長や仕上がりに影響が出ることがあります
マウスピース型矯正装置(インビザライン)について
インビザラインは米国アライン・テクノロジー社製のマウスピース型矯正装置です。歯科医師の治療計画に基づき同社が製作するカスタムメイド品であり、医薬品医療機器等法(薬機法)上の承認を受けた医療機器ではありません(装置に使用される材料自体は薬事承認を受けています)。そのため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。国内では承認済みのマウスピース型矯正装置も存在しますが、当院は効果・効能を検討したうえで本装置を導入しています。
医療費控除について
噛み合わせの改善など機能的な問題の改善を目的とした矯正治療は、医療費控除の対象となります。審美目的のみの場合は対象外です。最終的な判断は所轄の税務署が行います。
木原歯科矯正歯科久留米
〒839-0862 福岡県久留米市野中町1191[ Googleマップで見る ]
TEL:0942-36-0694
診療時間:月〜土 9:30〜13:00、14:30〜18:30/ 休診日:日曜・祝日
アクセス:JR久大本線「南久留米駅」より徒歩6分・駐車場完備
記事執筆:副院長 木原 りょうこ(日本矯正歯科学会・日本成人矯正歯科学会・日本舌側矯正歯科学会 所属)
関連ページ:矯正歯科について